#3 High Level Political Forum
(HLPF)

6月15日に小池をスピーカーに、「High Level Political Forum (ハイレベル政治フォーラム)」の背景、開催期間中のプログラムの目的、また開催に伴い活発になっている交渉テキストについてウェビナーを行いました。

Q. まず初めに、”「2030アジェンダ」と「持続可能な開発目標」”の関係性は?

 

「持続可能な開発のための2030アジェンダ」とは2015年9月25日の国連総会で決定した17の目標と169のターゲットからなる、世界のすべての人へ向けた開発目標の採択文章及び宣言です。この17の目標と169のターゲットを「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals ~SDGs~)」と呼び、発展途上国のみならず先進国も直面している課題への取り組みを促す普遍的なものとなっています。ここで意識しなければいけない点は、「2030アジェンダは途上国のみが開発に取り組み、先進国はそれをサポートする国際協力のみ行うものではない」ということです。SDGsの前身であったミレニアム開発目標(Millennium Developemtn Goals ~MDGs~)とSDGsの違いはここに大きく表れており、MDGsでは主に途上国の発展をサポートするのみであった先進国ですがSDGsでは先進国も「環境」「経済」「社会」を考慮した国内政策を義務づけられています。

 

Q. では、”「2030アジェンダ」と「市民社会(Major Groups and other Stakeholders ~MGoS~)」”の関係性は?

 

2012年のRIO+20から3年の月日をかけて2015年9月に国連総会で「2030アジェンダ(SDGs含む)」が採択されましたが、市民社会(MGoS)のコンセプトが議論されたのは1992にリオで開催された「環境と開発に関する国際会議(地球サミット第一弾)までさかのぼります。

その際採決されたアジェンダ21で9つのグループが

  1. 社会に存在する重要な集団(女性、若者、etc)が交渉に参画できるスペースを作り、より包摂的な国連を作っていく

  2. 重要な集団が独自のスペースをもって参画できるようにする

という理由で設けられました。

その後2012年のRIO+20、HLPFに関する国連決議を踏まえて、other stakeholdersに入るグループは増えていきました。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を筆頭ととし、国連での交渉プロセスにおいて市民社会(MGoS)は大変重要な機能・役割を担っています。SDGsはMDGsとは異なり、国や政府からのトップダウン形式の目標ではなく、国と市民社会の協働の下で達成をしていく目標であるという明言がされています。

※MGoSについての詳細は「JYPSウェビナー#1」のまとめをご覧ください。

 

Q. HLPF2017の概要は?

 

High Level Political Forum (HLPF)は、2012年の国連決議に基づき、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」をはじめとした、持続可能な開発に関する様々な枠組み、例えば仙台防災枠組みやニューアーバンアジェンダに関して、各国の取り組み・進捗状況共有・実施を加速させるための勧告提供を行う会合として、国連経済社会理事会(ECOSOC)のもとで毎年、国連総会(GA)のもとで四年に一度開催されます。

今年は7月10~19日にニューヨーク国連本部で行われ、「High-Level Political Forum 2017: Eradicating poverty and promoting prosperity in a changing world」と題して以下の6つの目標+目標17の"Strengthen the means of implementation and revitalize the Global Partnership for Sustainable Development (実施手段)"が議題の対象となります。

 

1.End poverty in all its forms everywhere (貧困)

2.End hunger, achieve food security and improved nutrition and promote sustainable agriculture (食料)

3.Ensure healthy lives and promote well- beings for all at all ages (保健)

5.Achieve gender equality and empower all women and girls (ジェンダー)

9.Build resilient infrastructure, promote inclusive and sustainable industrialization and foster innovation (インフラ、産業化、イノベーション)

14.Conserve and sustainably  use the oceans, seas and marine resources for sustainable development (海洋)

 

Q. HLPF2017開催期間のプログラムではどのようなことが取り上げられるの?

 

7月10~14日は上記6つの目標+目標17に対するレビューが行われると同時に、今年のテーマである「Eradicating povertyand promoting prosperity in a changing world」に対するテーマ別レビューが行われます。この期間中、1つの目標に焦点を当てたレビューに加え、複数のゴールにまたがって存在する課題、1つのゴールに取り組むとほかのゴール達成が困難になる場合がある課題(例えば都市開発と環境)についての分野横断レビューが行われます。。7月17~19日には、閣僚級で「自発的国別レビュー(Voluntary National Review:VNR)」が行われます。これは各国が自国の「2030アジェンダへの取り組み」を他国を前に発表し、国際社会とステークホルダーがその成果をチェックする場であり、今年は日本を含め44か国がVNR対象国となっています。

VNRの主なコンテンツは

・SDGsが国内政策で実施されているか、また政府のオーナーシップ発揮状況

・「環境」「経済」「社会」の3つの側面の統合

・目標とターゲット

・分野別の分析

・政府考案の制度的なメカニズムと実施手段

・今後の方針

です。

昨年は22か国のみがVNRに立候補しこのままではすべての国を回るころには2025年を過ぎてしまうと懸念がされていました。しかし、加盟国がより持続可能な開発に関する政策実施に着手し国際社会に対する責任を持ちコミットしてきた成果として、今年は2倍の44か国が立候補しました。ここでの懸念は、3日間という限られた時間の中でVNRをどれだけ内容のあるものに出来るかという点です。HLPFが国連加盟国の年に一度の「2030アジェンダに対するレビューの場」となっている状況で、この3日間のプログラムが効果的なプログラム構成になっていないと開催する意味がありません。したがってステークホルダーが政府作成レポートにコメントをだし、また各国政府にプログラムの改善を求めるなど働きかけていく必要があります。

 

日本のVNRでは「持続可能で強靭、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」をビジョンに置き、

①あらゆる人々の活躍の推進

②健康・長寿の達成

③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション

④持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備

⑤省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会

⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

⑦平和と安全・安心社会の実現

⑧SDGs実施推進の体制と手段

が国内における8つの優先課題であると述べられています。

日本政府のSDGs実施指針の取組の例等(地方でのSDGsの取組の拡大、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における取組、民間企業等との連携強化)をクリティカルな目線で見ることが今後の国内政策実施をより中身のあるものにする上で大切な私たちの役割でもあります。

 

High Level Political Forum (HLPF)において世界が直面している課題解決に対する政策のフレームワークが決定するなか、「若者」がMGoSという参画スペースを活用し積極的に声を上げていくことが必要です。JYPSは、Major Group for Children and Youth (MGCY)の一員として「若者」のポジションを支持、国内のユースプラットフォームとして日本政府の取組に対しカウンターレポートを提出、2019年までに最初のフォローアップを実施するとしている日本政府に対し「ユースの意見」をコンスタントに届けることを行っていきます。

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