#なぜ、若者が

ジェンダーに声を

上げる必要があるのか​

JYPS  ✖️ #男女共同参画ってなんですか

  1. イベント概要
  2. 登壇者紹介
  3. パネルディスカッション内容
  4. ジェンダー平等の実現のためにできること
  5. 質疑応答
  6. ​参加者からの感想

​イベント概要

このパネルディスカッションイベントは「なぜ今若者がジェンダー不平等に対して声をあげる必要があるのか」をテーマに、第5次男女共同参画基本計画に向け、30歳以下の若者が声を上げ行動を起こすきっかけになることを目的にオンライン上で開催されました!ご登壇者(下記参照)には「国内のジェンダーの問題」や「若者がなぜこの問題を考えるべきなのか」、「なぜ第5次基本計画に若者の声を反映させるべきなのか」などといった観点からご意見をお伺いすることができました。
■共催:持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム(JYPS)、U30#男女共同参画ってなんですかプロジェクト(公益財団法人ジョイセフ内)
■日時:2020年8月6日(木)20:00 - 21:30 (日本時間)

 
 

​登壇者紹介

福田 和子 氏

# なんでないの 代表

 

国際基督教大学卒。女性の健康や権利、公共政策のあり方に興味を持ち、スウェーデンに1年留学。留学中にジェンダー問題に対する意識が芽生え、帰国後「#なんでないの」プロジェクトを始動、現在はヨーテボリ大学大学院で公衆衛生を医療政策を研究中。

福田氏は国内のジェンダーにおける課題点は、政治参加をはじめとして、意思決定の場で女性が少ないことが根本的な要因であり、それらが性教育の不足、現代的避妊法や避妊薬の普及に遅れを取っていると言及しました。

藤川 菜緒子 氏

ガールスカウト日本連盟所属ガールスカウトトレイナー

 

小学1年生からガールスカウトに所属し、リーダーへの研修などを行うガールスカウトトレナーとして、自ら考え行動し子供から高齢者まで生涯学習のできる女性の育成のため活動中。またガールズスカウトではアクティブラーニングを通じてグローバルな視点を育てている。さらにStopTheViolenceキャンペーン検討委員に所属しており、一人ひとりが尊重され、女性に対する暴力根絶に向けて積極的にガールスカウト内外で講演活動やワークショップを実施。

 

藤川氏は女性への差別暴力を目に見える暴力から、文化や伝統などに潜在する暴力などに分けられると説明しました。例えば「男は外、女は中」など性別によって決め付けられた構造的暴力、「男の子は青色、女の子はピンク」など文化的暴力(アンコンシャス・バイアス)、その他にも経済的暴力、精神的暴力、社会的暴力など性別を理由に抱える「暴力」の問題をあげ、具体的な内容をイベント中に言及しました。さらに男女共同参画のパブコメを出す際も、自分の興味のある分野を読み込み、それに対する意見を提示することが重要とアドバイスをいただきました。さらに若者の声を下卑する風潮がある中で、若者の声を聞きたいと言われてるのであれば、声を発信していくことが重要であると強いメッセージもいただきました。

 

​パネルディスカッション

基本計画の現状と若者が考えるべき視点

福田氏と藤川氏から第5次男女共同参画基本計画の素案をもとに、「経済、女性の心身、教育」の観点から、今回特に着目する視点についてご意見を伺いました。
 

第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大

福田氏は素案をもとに良い視点と改善するべき点を具体的に言及しました。

すでに書かれている、容姿に関する嫌がらせなどを含め女性議員へのハラスメンとの防止や政治参加したい女性のネットワーク構築等のの提供はとても良い視点である。

 

一方で改善すべき2点は

  • 女性だけではなく、また公務員だけではなく国会議員の男性職員の育児休暇の促進

    • 両立支援策をはじめとした女性議員が活躍しやすい環境整備と言われているが、(公務員)特に男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得を促す、またそのための環境整備を行う必要もある

    • 両立支援は女性のためのものという概念や育児家事は女性のものという意識を変えることが重要

  • ​経済面で、女性起業家の育成

    • ”女性起業家はパパ活だよね”発言があるなど、女性起業家がどれだけ努力しても解決できない問題に対し、女性だけでなく周りの変化も求められる
       

 

第7分野 生涯を通じた健康支援

福田氏は素案をもとに良い視点と改善するべき点を具体的に言及しました。

すべての女性やカップルの生活や健康に向き合える支援、妊娠を望まない人の権利を尊重している点はとても良い視点である。

一方で上記項目に関して改善すべき2点は

  • セクシャルマイノリティーの視点を考慮すべき

    • "男女共同参画”(男女二元論)ではなく”ジェンダー共同参画”という概念にシフトチェンジしていくべき

  • セクシャル・ヘルスライツも重要であり、性暴力や感染症などの観点も考慮すべき

    • 現在はリプロダクティブ・ヘルス・ライツのみの言及のため、Sexual Health、つまり病気や妊娠のことだけではなく、性を通じて生まれるからだ・きもち・しあわせの状態のことであり、それらも権利となるべき

生涯を通じた健康支援(教育の充実)

良い視点として、「性に関する教育」という言葉が組み込まれているため、性教育の重要性がましている印象がある。また性の教育の観点から「妊娠の計画の有無に関わらず」早い段階から妊娠・出産の知識を持つ必要性の明記がある点。

 

以下の点に関しては改善の余地がある。

  • 性教育について学習指導要領の見直し等の内容が必要

    • 世界では包括的(性のこと以外にも人間関係やジェンダー、セクシャリティなど盛り込む)がスタンダードだが日本では不足している点に対し、包括的性教育が普及する必要がある

 

生涯を通じた健康支援(相談体制の整備)

他にも健康支援の概念で良い点として、相談体制の充実である。例えば各学の専門的な保険サービスが連携した体制の整備や性感染症を予防する為の適切な相談指導の充実図るなどの記述がされている。

 

しかしその中でも2点改善するべき点は

  • アクセス方法の見直しなどを求める

    • 電話だけでなく、若者もアクセスしやすいライン等のオンラインツールの使用。SNSやメディア等におけるセカンドレイプの防止に努めるべき。またプライバシーの保護なども重要になる

    • 例)福田氏の留学先のスウェーデンでは、学校単位で相談場所を訪問し、周知に繋げている。

  • 大人の意識変革についての言及も必要

基本的な方針 社会情勢の現状及び課題

福田氏は素案をもとに良い視点と改善するべき点を具体的に言及しました。

人口流出や少子高齢化の課題解決のためにも担い手の確保が重要であり、そのために女性が能力を発揮して働ける環境の整備必要であると示唆されているが、

ここで考えなければいけない視点は、

  • 国の経済成長に向けたジェンダー平等の社会ではなく、女性の権利が守られ、その結果、能力を最大限に発揮できる社会を目指すべき。

第5分野 女性に対する暴力の根絶

藤川氏は文言を引用しそれに対して考えるべき事項をあげました。

性犯罪・性暴力、配偶者等からの暴力、ストーカー行為、職場等におけるハラスメントは引き続き深刻な社会問題となっており、こうした状況に引き続き的確に対応する

  • より具体性が必要である。

    • 「引き続き深刻な社会問題」とは具体的にどういうことなのか。SDGsの理念でもある「誰一人取り残さないための対応」に関してはどのような施策があるのか

    • 再犯率が20%の性犯罪の対処については、どのような取り組みを行うか

暴力は、身体を傷つけるのみならず、自己肯定感や自尊感情を失わせるなど、心への影響も大きいもの。

  • 自己肯定感や自尊感情を失うとどういうリスクがあるのかという観点を考え、性教育と同じくらい大事な自己肯定感を高めるための教育方法はどのようなものがあるのかを考える

被害者が子供、高齢者、障害者、外国人等である場合は、立場を利用した支配が暴力の背景にあり、加害者との関係から被害者を訴えにくいなど、背景事情に十分に配慮する必要

第5分野 女性に対する暴力の根絶

藤川氏は文言を引用しそれに対して考えるべき事項をあげました。

性犯罪・性暴力、配偶者等からの暴力、ストーカー行為、職場等におけるハラスメントは引き続き深刻な社会問題となっており、こうした状況に引き続き的確に対応する

  • より具体性が必要である。

    • 「引き続き深刻な社会問題」とは具体的にどういうことなのか。SDGsの理念でもある「誰一人取り残さないための対応」に関してはどのような施策があるのか

    • 再犯率が20%の性犯罪の対処については、どのような取り組みを行うか

暴力は、身体を傷つけるのみならず、自己肯定感や自尊感情を失わせるなど、心への影響も大きいもの。

  • 自己肯定感や自尊感情を失うとどういうリスクがあるのかという観点を考え、性教育と同じくらい大事な自己肯定感を高めるための教育方法はどのようなものがあるのかを考える

被害者が子供、高齢者、障害者、外国人等である場合は、立場を利用した支配が暴力の背景にあり、加害者との関係から被害者を訴えにくいなど、背景事情に十分に配慮する必要

  • 複合差別をする立場とはどのようなことなのかを考えた上で、根本原因やその立場の人に関する具体性が必要

  • 被害を訴えやすくする方法の言及が必要である。例えば人にいきなり話すことは難しい中で、LINEなどで相談するなどの方法がある

第10分野 教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進

藤川氏は文言を引用しそれに対して考えるべき事項をあげました。

アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)や固定概念は往々にして幼少の頃から形成される。これは男女双方に存在する。

  • 幼少期に影響を受けるものは何かを考え、そしてそれに対する対処法は何かを考える必要がある

男性にとっては主たる稼ぎ手であるべきという固定概念にとらわれない考え方

 

  • 家庭や地域に積極的に関わるとは具体的に何を指すのか、(育休なのか、育メンの概念など)どうすれば積極的に関わることができるのか(例えば男性は食事の代金を支払うべきという考え方にとらわれているが、これはどうすれば無くなるのか

  • 「主たる稼ぎ手であるべき」と思うのはいつ誰から教えられるのか

女子大学生ジェンダー報告書

藤川氏はガールスカウトがリリースした女子大学生×ジェンダー調査報告書2020についても述べました。

 

報告書によると、性的いやがらせを経験したり見たことがある高校生が66%、大学生は92%にまでのぼることがわかった。性的いやがらせの例として、痴漢やセクハラ、「女の子だから〜」と差別されるなどが挙げられる。また、「男は力仕事、女は家庭を守るべきである」という考えを支持している人が一定数いるにも関わらず、産後も仕事をしたいという女性は78%いるという報告もある。

ジェンダー平等の実現に向けできることについて

パブリックコメントの意義

 

例え否決されてもその不条理を社会に訴えて続けていくことは有意義なことである。実際に若者の声をもっと聞きたいという政治家は存在していることから、より権力のある大人に訴えることも重要である。

今の日本社会は女性管理職の割合が大変低く、女性が活躍しにくい社会だ。もっと女性が生きやすい社会を私達自身で創っていこう。

​声をあげよう

 

ジェンダーの平等すらない日本でLGBTQに関する議論をするのは厳しいところもあり、実際に声をあげられない人も多い。しかし、意思決定者に伝わる声の上げ方を意識して自分たちで声をあげていくしかない。また、経験豊富な年上のメンターをみつけ、相談することも有効だ。

 

​質疑応答

Q: ガールスカウトとボーイスカウトの違いはなんですか?(藤川氏)

Q1.

共通の理念を掲げており、大きな活動内容の違いはない。
ボーイスカウトの活動に少女たちが「私たちにもやらせてください」と声を上げ、創始者の妹や妻によって大きな運動となった。

Q: 何歳から性教育をするべきなのか?(福田氏)

Q2.

UNESCOの出す国際的な性教育の指標、国際セクシュアリティ教育ガイダンスの中では5歳から始まる。

Q: 田舎になるほど避妊に関する情報が少ないが、どのように生徒に教えればいいのか?(福田氏)

Q3.

情報に関しては地方が必ずしも遅れているとは限らない。例えば秋田県では、医師会と学校が連携して性教育を行った結果、人工中絶減った、というデータがある。協力してくれる校長や同僚を見つけて共に進めることが大切。

Q: ジェンダー格差を他人にわかってもらうにはどうすればよいのか?(藤川氏)

Q4.

明確なエビデンスを持って、草の根のように伝え続ける。

Q: 「暴力が自己肯定感、自尊心を失う」とはどういう意味なのか?(藤川氏)

Q5.

「私が悪いから」「何をやってもできない」「仕方がない」など自分で何かを切り開く力=生きていく力、が暴力によって奪われる。「何でもできる」などといった自己肯定感を育てることが大切。

Q: スウェーデンの子供がなりたい職業ランキングはあるのか。それらにバイアスはあるのか?(福田氏)

Q6.

スウェーデン版の子供がなりたい職業ランキングは見つからなかった。しかし、例えば、女の子たちに様々な分野における女性のロールモデルを見せられるようにと世界中でベストセラーになり日本語版も出版された「世界を変えた100人の女の子の物語(河出書房新社 2018)」がありますが、スウェーデンではスウェーデン人を集めたバージョンも作られベストセラーになったりもしている。

Q: 日本社会における女性リーダーの進出に関して、なぜこれほど遅れているのか?(福田氏)

Q7.

小さい頃から見てる意思決定の場の景色では男性多く、ロールモデルいないことが大きな要因とされている。スウェーデンでは「私はフェミニストではない」とは言いにくい雰囲気であり、ジェンダー平等が国民のプライド。ただ、現在の日本には現状を変えていこうとする熱を感じる。

Q: どのようなモチベーションのもとにジェンダー平等の活動を通して日本を変えようとしているのか?
 

Q8.

藤川氏:ガールズスカウトに小さい頃から参画していたため、日本でのジェンダー障壁を長年たくさん感じてきた。メンターがたくさんいたのでそれらの障壁を乗り越えることができた。使命感は生まれつきの性格とガールスカウトでの経験によるもの。
 

福田氏:自分や友達、次の世代の子達に嫌な思いをしてほしくないという一心から。スウェーデンの薬局で安易に手に入るアフターピル見つけとき、安価に入手できない日本と比べ、不条理を感じて号泣したという経験があり、このショックを誰にも経験してほしくないという想い。

​参加者からの回答

今回のイベントにご参加された約100名の内、40名の方にアンケートに回答していただきました。

「今回のイベントを受けて、男女共同参画やジェンダーに対する意識はどう変わりましたか?」という質問に対して、多くの人が「イベントを機にジェンダーに対する意識の変化があった」と回答しました。その中からいくつかご紹介します。
 

日本の現状にあまり疑問をもって生活していなかったため、問題意識をもつ機会になりました。

こうした活動は女性の方が多く、女性が声を上げていく必要性はもちろんだが、当事者は女性だけではなく男性でもあり、男性へのジェンダー差別を、男性がより認識する必要性があること。

自分のアンコンシャスバイアスに気がついた。

今まで、自分が社会に出る頃には差別なく、生きやすいはずだから大丈夫だろうと思っていた。しかし、まだまだ改革途中であり、今後もあえて男女に区別せず、ジェンダー平等を目指していく必要があると思った。

どのようにして声を上げれば良いのかわからず悩んでいたのですが、自分にもできる事がある事、またそのやり方を知ることができ、行動に移そうというより前向きな気持ちになれました。

まだまだ知らないジェンダーの世界があることを知った、女性の権利のみならず、ジェンダー平等を、もっとじっくり考えたいと思った。

 
 

「今回のイベントを受けて、ジェンダー平等の実現に向けて行動を起こしたいと思いましたか。」という質問に対して95%の参加者の方から「はい」と回答しました。また「はい」と回答した方の中から具体的な方法を以下に記載しました。
 

政府に自分の声を届けたい!と強く思いました。

まず、身近なところでジェンダーギャップを見つけていけたらいいなと思います。

まずは自分の中にある固定概念やジェンダーバイアスを知ることから初めて、それを変えて生きたいと思います。

パブリックコメントを何らかのかたちで提出してみたいと思います。

大きな活動ではないものの,教職員としては,子どもに「男だから…」「女だから…」と言うより,生物的な性より前に,個性を大事にして生徒指導にあたりたい。

パブリックコメントに参加する。自分のSNSでジェンダーに関する記事やイベントについて共有する。

まずは今回のセッションを受け、自分の考えをまとめること、そして就活に向けて、社会人としてどうジェンダー問題に関わっていくかのプランを立てること。

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